「ドコモの絵文字が見づらい問題」に思うこと

前提条件

本文書はITmedia Mobileに2023年10月29日 10:00AM付で公開されたはやぽん著の「「ドコモの絵文字が見づらい問題」を考える なぜ、今のスマホにそぐわないのか」という記事 (以下、該記事と称する) に対する反応です。

本文書の筆者であるhadsnはドコモ/au共通絵文字 (iモード絵文字) の継続利用に対して否定的な立場である一方、条件をそれなりに満たせば (おもしろ半分に) 利用を肯定する立場です。

前置き

勝手な該記事のまとめ

該記事では、携帯電話コミュニケーションにおける絵文字の導入とUnicodeの符号化文字集合への追加、その後の絵文字を取り巻く情勢の変化とNTTドコモ以外の事業者がどのように対応したかについて触れ、最後にNTTドコモの対応について批判的にまとめている。

絵文字の元祖はドコモなのか?

該記事の本文中にはこのような記述がある。

絵文字を携帯電話に採用したのは、NTTドコモが最初だ。この後にDDI(現au)、J-フォン(現ソフトバンク)が採用する形で続く

ケータイ (PHS等を含んだ広義の意味でも、狭義となる純粋に制度上の携帯電話でも) において絵文字が初めに使われだしたのはいつだろうか? 利用者の求めに応じて事業者が認定していないコンテンツサービスを自由に利用可能になったのは1999年2月開始のiモードであることは疑いようのない事実である。

その一方で、1997年12月には "デジタルホン" (J-PHONEブランド利用開始後ではある) から携帯電話間でのメッセージングサービスである "スカイウォーカー" (楽天モバイルが2021年3月に出願したものではない) に対応したDP-212SWが発売されている。この機種では90文字の絵文字をサポートしており、J-Sky絵文字へ発展的解消を迎えたことが容易に想像できる (符号化文字集合を確認したいので、だれか説明書のコピーをください)。

DP-212SWではスカイウォーカー向けに絵文字をサポートしていたことから他社のショートメールサービスに目を向けてみると、携帯電話事業者のNTTドコモは1997年6月からショートメールサービスを開始しており、ショートメールセンターからドコモの携帯電話にSMSを送る機能の解説ページでは、カナ文字の狭間にたった2文字の絵文字、 '☎' と '♡' とが利用可能なことが謳われている (実はひっそり漢字も送信可能なのだが....)。

ドコモの話に戻ったのでiモードのほうに再び目を向けてみると、現在ではドワンゴの専務取締役を務めておりVOICEVOXにぶち込まれてしまった、iモード絵文字生みの親である栗田穣崇への複数のインタビュー記事において、ポケベルのハートの絵文字の経験から絵文字を実装しようとしたことが触れられている。記事によって当時の彼女とのやり取りを理由にしていたり、ハートの有無で他の事業者にユーザを奪われたなどと二転三転しているが、ポケベルのハートの絵文字の経験から絵文字を実装しようとしたという一点では一致しているので、広義の携帯電話どころかモバイルテキストコミュニケーションデバイスというくくりに広げてしまうと、ポケベルが絵文字の祖ということでいいのだろう。具体的にどこのポケベルが絵文字を用意しだしたかの検証も必要かもしれないが、国会図書館の "個人向けデジタル化資料送信サービス" の申し込みをしていない個人がやるコタツ記事にはこれが限界である。

iPhone OSにおける絵文字の対応

該記事でも指摘の通り、ケータイの絵文字は同じ物事をモチーフにした絵文字であっても、事業者が違えば絵文字の符号が異なるという地獄のような状況であった。にもかかわらず、通信の秘密の問題なのか、絵文字をユーザ囲い込みの手段にしていたのかは知らないが、Eメールを経由した文書交換においてはよそのサービスを頼らせたり、自社の有料サービスに頼らせて変換させていたのである。

2006年9月には携帯電話事業者3社間での絵文字互換サービスが開始されるが、符号化文字集合が一致していない (例えばau以外の絵文字にモヤイ像は存在していない) ことから、どうしても '〓' や絵文字ではない鍵カッコ囲みの標準文字にならざるを得ない部分も存在したのである。そして、KDDIPHS事業者なのに絵文字はドコモ互換であったウィルコムは仲間外れである (2008年1月に対応)。

インターネットとは一応オープンな世界であり、コンテンツの制作にはWindowsMac OSといったキーボードとある程度の画面を具備したコンピュータ向けのOSを用いてコンテンツを制作することとなる。したがってこれらコンピュータ向けOS下でも扱いやすいようにか、数値参照という表現方法も可能である。その実この数値参照というのは十進数にしたUnicodeの符号位置を示しており、JISコードの未定義領域を勝手に占用するがごとく使えるPUA (私用領域) にも絵文字が一応割り当てられていたのである。

iPhone OS 2.2における絵文字の対応は非常に簡単(?)なもので、搭載しているフォントとしてはUnicode 5系の符号化文字集合をサポートしている一方で、J-Sky絵文字改めソフトバンク絵文字をUnicodeでPUAに符号化したものが表示できるようになっているのである。

(個人的にはUnicodeに絵文字をぶち込めたのはGMailでの対応発端と感じているが、まあそんなことはどうでもいい)

デザインが揃わない文字は変換なのか? ~例示字形とその実装の狭間で~

該記事では

ドコモのAndroidスマートフォンでは、ドコモ/au共通絵文字に極力変換して表示する機能が標準で備わっており、この機能が消費者を困惑させている要因となっている。

とあるが、これに対しては真っ向から違う、と言わせていただきたい。この言い方を正であると扱ってしまうと、いわゆる中華フォントしか搭載してない端末で日本語を表示したときに、"日本語を中華フォントに変換して表示する機能が備わっている" と表現せざるを得なくなってしまう。

正しくは "ドコモ/au共通絵文字が絵文字フォントとして指定されているが、今となっては収録されている文字が足りなすぎるので別の絵文字フォントが代替表示されている" という状態なのである。

状況としては、日本語の丸ゴシックを指定して機械翻訳の中国語文を入力したら、簡体字明朝体で表示されてしまったのと何一つ変わりがないことなのだ。ただ違うとしたら、収録されている文字が足りな過ぎて代替表示される文字が多すぎるくらいだろうか。

該記事では

ドコモのAndroidスマートフォンで表示されている絵文字が、送った先で、想定したものとは別の絵文字として表示される可能性も十分にあり得るのだ。

とも言われているが、符号化された絵文字自体は同じである。Android のNoto Color EmojiとiOSの絵文字の字形が (とても似ているが) 違うように、ドコモ/au共通絵文字とほかの絵文字フォントとで字形が違うだけなのである。その違いが78JISをもとにしたフォントと、83JISをもとにしたフォントとの違いのように、まるでそびえたつクソのような違いなだけであって。

本題

グローバル標準の絵文字って何?

該記事ではNTTドコモの広報部に対して

絵文字の特定環境での視認性の悪さについてどう感じているのか。独自のものではなく、グローバル標準の絵文字に統一しないのか

と問い合わせている。それに対して

グローバル標準の絵文字に統一するといった予定があるのか? という質問に対しても「既存の絵文字」を利用している方もいるので、ユーザーの声を踏まえて検討を進めるとしている。

という回答を得ている (視認性の悪さにも回答を得ているが引用しない)。その回答に対する評価として

ドコモでも販売しているiPhoneやPixelについてはこの制約はなく、絵文字問題はAndroidスマートフォンのみが該当する。グローバル標準のものをあえて変換してまで旧絵文字を表示しているため、開発や実装にも相応のコストがかかっていると考えられる。

問題はドコモの絵文字を半ば強制されることなので、表示される絵文字はユーザーにも選ぶ余地を与えてほしい。現在の一般的な絵文字はISOで標準化されたものであり、従来のものを変換して表示するという選択を強制することは、消費者の理にかなっていないと思う。

としているが、iPhoneGoogle PixelはhTc Zのようなメーカーブランド端末であり、所詮はドコモ取扱品である。なので、それらの機種はAppleが作成した絵文字フォントや、Googleが作成した絵文字フォントであるNoto Color Emojiの利用が可能なのであろう。一方でドコモブランド端末である、その他のAndroid端末についてはドコモ/au共通絵文字を使用するように発注をかけているがゆえに、利用者は (多義的な) 視認性の悪さに苦しめられているのである。

さて、この部分で言われている "グローバル標準の絵文字" とは何なのだろうか? 文字コード自体はISO/IEC 10646, つまりはUnicodeで標準化されているのは、さんざん上で触れたように周知の事実である。Unicode 6.0で絵文字が追加された際に当然例示字形も公開されているが、iモード絵文字ともNoto Color Emojiとも似つかない物である。

EmojipediaでもEmojiGuideでも好きなものを見てもらえればわかるが、カネのあるソフトウェアベンダやサービス事業者はそれぞれ絵文字のフォントを作っているのである。それぞれ似通ってはいるもののそれら独自のフォントを持っているし、GoogleAndroid向けの絵文字フォントに至ってはAndroid 4.3の頃の白黒ドロイドくんやAndroid 4.4から7くらいまで使われた黄色まんじゅうなどが存在している。

そんな状況下で "グローバル標準の絵文字" と言ったところで何を使わせたいんだ?と疑問の苦言を呈さざるを得ないのである。例示字形をそのまま実装すればいいのか? Google Pixel同様にNoto Color Emojiを使えばいいのか? それともAppleなど他ベンダの絵文字フォントを使えと言っているのか? はたまたドコモ自身がほかの事業者が提供する絵文字フォントと似通ったデザインのフォントを新規に製作して採用すればいいのか? 何を望んでいるのかさっぱり判らない (いやまあそこまで深く考えてなくて、ドコモ/au共通絵文字をやめてNoto Color Emojiみたいなフォントにしてくれくらいにしか考えてないんでしょうけど)。

最後に

色々と非営利の暴力でツッコミをさせてもらいましたけど、この文書を書くのにだいたい4時間くらいかかっています。その4時間もこれまでのネットサーフィンの積み重ねがあっての4時間ですので、営利を目的とした商業ライターでは当然かけていられない時間であるとは思います。

Gadget and Radioで常日頃からやってるように無駄に小難しく批判的に書いてしまっていますが、ドコモ絵文字はクソ!という観点では一致しておりまして、それを商業メディアの記事にしていただいたのは大変うれしく感じております。

あと疑問に思うのは、絵文字の符号化文字集合を2014年に携帯電話事業者5社で一致させたのに、なんでKDDI以外はドコモと字形を一致させなかったんですかね?

ChargeSPOTを借りてみた話

ご挨拶

寒中お見舞い申し上げます。

昨年 (2021年) 末は久々に開催されたコミックマーケットに参加いたしまして、サークル・ゆうや鉄道に委託という形で見本誌という名のゴミをコミケット準備会に押し付けたわけでございますが、極道印刷と委託先サークルの "おしながき" に載せられなかったこともあり、頒布数が0という快挙を成し遂げました(は?)。ちなみに提出見本誌と、卓上に載せる見本とあわせて印刷数は3部です(は???)

Galaxy Note8の充電電圧と電流との特性を学生実験が如き駄文で、在籍していたバカファック大の実験レポートであれば再提出を命じられそうな形態で長々と書き綴ったわけでございますが、正直なところパンピーの皆様としてはそんなどうでもいい実験データよりも、結果そのものが見たいはず。

Galaxy Note8の充電電圧に対する電流の特性

結論といたしましては、USB PDのネゴシエーションに成功していても電流を引いた時に電圧が下がり過ぎると弱い充電器と判断して電流を引き過ぎないようにするため、最高速で充電し続けるにはRPとして10kΩを採用して3A給電能力があるとする場合は4.9V以上、RPとして56kΩを採用してUSB BCの給電能力があるとする場合は4.85V以上、画面をつけっぱなしで充電する場合は4.75V以上の電圧がGalaxy Note8のUSB Type-C端子にかかってなければならないという物であります。

ChargeSPOTを借りた

さてここまでが前座のGalaxy Note8の充電特性の話で、ここからがChargeSPOTを借りた話。

前述のように年末はコミックマーケット99Aに参加していたこともあり、年始の買い物・初売りの冷やかしに出かけた結果、持っているモバイルバッテリの残量を全て食いつぶした上にGalaxy Note8本体のバッテリもカラになるという事態が発生してしまったわけです。

都合よく(?)2021/12/03 - 2022/01/09であればChargeSPOTがauかんたん決済であれば1円で借りられるということもあり、借りてみることといたしました。結論から言うと、悪いサービスじゃないけどあまり使いたくないね、という物。

ChargeSPOT V4 with SIAA 表

ChargeSPOT V4 with SIAA 裏

V3の外観に関してはかえざくらのレビューでも見てもらうとして、借りられたのはV4と呼ばれるタイプでもSIAA抗ウィルス加工のロゴが入った最新のもののようで、無負荷時に5.1V, 負荷をかけた時であっても5V弱の電圧をUSB Type-C端子にかけられるため、画面さえ消していればGalaxy Note8くんは1.75Aも吸ってくれてUSB BC扱いでは最高速を叩き出してくれました。定価だと165円の枠で利用可能な25分 (実際は30分です) で3.6Whも食わせられる。スゴイ!

www.kaesakura.com

問題はここ、バッテリに内蔵されたUSBケーブルでして、5×4mmの角形で張力強めの代物。プレスリリースに掲載された写真のようにロゴを上にして端末を重ねると、端末内部でコネクタがもげそうで怖い。

0部配布の怪文書 "Galaxy Note8快速充電法" を読んでいただいた方ならご存じの、(株)アットキューが販売する超急速PD充電対応Type-C延長ケーブル AT-PDCASTCEX01 (JAN:4560452321901) などを百均のセリアで購 (あがな) ってくればコネクタがもげそうだとか言わずに充電できるんでしょうけれども、このD+/D-をオス端子側で短絡処理しつつもCC線は素通ししているイカモノコンドームケーブルは抵抗がそれなりに大きく、無為にスマートフォンを眺めていようが有意義に画面を消して寝ていようが、充電速度が変わらなさそうです。自前のUSBケーブルを使わせてくれ。

atq.amebaownd.com

おわりに

気がついたらロッカーのサイズが大きくなって、各種ファブレットがまともに充電できるようになったヨドバシカメラの30分100円充電ロッカーですが、結局 (ChargeSPOTと) どっちの方が都合よく充電できるんでしょうね?

ChargeSPOTにはUSB PDに対応しないまでもバッテリに内蔵した昇圧回路の容量を上げていただき、Type-C端子に詰めたRPは3Aの給電能力を示す10kΩに、Lightning端子のD+/D-端子に繋がる電位は2.4Aを示す2.7V/2.7Vにしていただきたいなあ、と思いつつ筆を置かせていただきます。

Suica / PASMOなどICカード乗車券を長期間使いつぶす方法

タイトルの残り

"を調べてみた"

はじめに

SuicaSuica定期券のサービスが始まって20年近く、PASMOは同定期券のサービスが始まってから12年の年月が経っているわけでありますが、一番最初に手に入れたカードを後生大事に所持し続け、障害再発行などせずに定期券を更新し続けている人もいることでしょう。

一方で大概の鉄道会社では "ICカード乗車券取扱規則" で、券面に表示するべき事項 (券面表示事項) が不鮮明になった場合には使用してはならず、再印字を請求しなければならない旨を定めています。従ってボロボロになったPASMOSuicaを使い続けることはこの規定に反することとなり、最悪の場合不正乗車として定期券情報の削除、もしくは残高を含むICカードの没収だけでなく、定期券の使用開始期間から毎日その区間を往復したものとして運賃2倍の罰金と運賃に相当する額 (つまり片道運賃の6倍×日数) が請求される恐れがあります (実際問題電磁的に定期券情報が読み取れればそんなことはないと思うが)。

従ってこの規則に合致したうえで古いカードをを使い続けるためには、カード表面の印字層 (ロイコ層) をいたわって利用しなければなりません。いたわるためには、同じ場所ばかりを書き換えない・熱を加えない・こすらない、という手段が挙げられます。

今回の記事では、同じ場所ばかりを書き換えない、熱を加えないの2点に限って紹介したいと思います。こすらないというのは読んで字のごとく、そのままでしかありませんので。

熱を加えない方法

体温はカードに悪い

上では熱を加えないというのがロイコ層をいたわるためには必要としています。この熱を加えないというのはどの程度なのでしょうか? 実は体温が連続して伝わっている程度でもあまり良くないのです。

実体験から書かせていただきますと、以前ぼくはPASMOを財布に入れ、その財布はズボンのポケットに入れて保管するということを行っていました。6ヶ月定期を購入すると、定期を更新しなければならない頃にはもう印字内容が消えており、それだけでなく発券直後の段階で、既に印字したことのある部分は二度と発色しない状態になってしまいました。一方でGoogle画像検索をすると、何度か書き換えた定期券であっても鮮明に印刷が続けられています。従って体温でそれ相応の熱ストレスが加わっていたことが予想できます。

ボロボロのPASMO定期券

ボロボロのPASMO定期券 (右にずれている理由は後述)

このため、パスケースなどに入れて保管・携行し、できる限り人間が過ごしやすい程度の室温で保管することが重要であると考えられます。

同じ場所ばかりを書き換えない方法

大概の人は同じ区間を3年以上、延々と往復することになるでしょう。従って印字面の同じ場所に執拗に印刷することを避ける方法は正攻法では思いつかないでしょう。

ですが、意外と同じ場所ばかりを書き換えず、印字面をまんべんなく書き換えようとする方法は存在しています。この項目ではそれらを紹介していきます。

発券する機械・場所を変える

普段あなたはどこで定期券を買っていますか? PASMO定期券を持っている人は定期券窓口ですか? それとも定期券の販売に対応した券売機でしょうか? Suica定期券を持っている人はみどりの窓口指定席券売機ですか? それとも黒い多機能券売機でしょうか?

わざわざこういうことを書くことからお判りだとは思いますが、実は券売機やICカード印刷機のメーカ・機種の違いによって微妙に印刷のレイアウトやフォントが異なります。特にJR東のみどりの窓口指定席券売機 (MARS系) と黒い多機能券売機 (定乗印発機系) とでは大幅にデザインが違い、詳しくはこちらのページ (定期券券売機を多機能券売機に読み替える必要がある) や、こちらのページを参考にしていただくと解りやすいかと思います。ちなみにmanacaの例とはなりますが、名古屋市交通局はJR東のそれと同じくらい定期券窓口と券売機での発券とでは券面デザインが異なります

東京メトロのように複数社・複数機種の券売機を採用している場合はこれまでに使ったことがない見た目の券売機を使って購入するといいでしょう。オムロンの券売機と高見澤の券売機とでは、そこそこ券面デザインが異なります

一方、京急のようにオムロン V8ワンメイクとかいうクソつまらない鉄道会社の場合は、券売機でばかり使ってないで定期券窓口まで出向いてみるというのもまた一考です。京急の場合だと窓口には東芝の機械を入れているようで、有効期限のフォントが違うだけでなく、文字の間隔も若干違うものとなっています。大概の鉄道会社では券売機で定期券が買えるようになっているくせに、定期券窓口までの無償乗車を認めてくれています。駅員氏に、券売機で定期券を買えないアホのふりをして、定期券窓口で買いたい旨を相談してみましょう。

定期券の区間を変える

このように書くと、何で使わない区間まで買わなければならないんだ???となるかもしれません。それは思い込みです。純粋に発券区間を逆転 (A駅⇔B駅をB駅⇔A駅で購入) してしまえばいいのです。

これには一つ問題があって、節タイトルの通り区間を変えているわけですから、継続の扱いで定期券を購入することはできません。従って (通勤定期であれば) 朝の忙しい時間に券売機で定期券発券RTAをするか、(通勤・通学定期どちらでも) 磁気定期で一回発券してからICカード乗車券に載せ直すという手間をかけなければなりません。

同時に、連絡乗車券の場合は券面左側の駅が属する事業者 (上記の例であればA駅が属する社局) で購入しなければならない、と主張する窓口氏ないしは券売機が存在する可能性があります (それに対する東京都交通局における反例が存在している)。

ちなみにJR東を通勤定期で利用している場合、分割定期二区間定期をこねくり回した方が一区間で普通に買うより安い場合もあります。この場合は区間をこねくり回して文字あたりの大きさを小さくし、8通りの印字の組み合わせを楽しむというのもまた一考でしょう。ちなみにJR西でも分割定期は発券でき、券面レイアウトが変わるだけでなく安くなる場合があるので検討してください。

ICカードを入れる向きを変える

この方法は、東京都交通局日本信号製の券売機では使えない方法 (横浜市交通局の物では利用できそうである) となります。京急で採用されているオムロン V8の場合、定期を発券する際に逆向き (矢印を手前にして挿入) に挿入すると、印字位置が右に5mmほどズレます。

理由は推測となりますが、PASMOカードの右側には切り欠きが存在しているため、短い行程で印刷する場合はICカードプリンタの印刷範囲は券中央から見て左側が広く、右側が狭い構造とするのが合理的です。オムロン V8ではこの合理的な構造を愚直に採用していると考えられ、一方でICカードの上下左右は裏面の券番とは反対側にある黒い塗りつぶしで正確に把握しており、カードが180度回転している際に印刷内容も180度回すという処理が入っているとみなすのが妥当です。一方で180度カードが回転していても印刷内容を左に動かすという処理がなされていないため、右に5mmほどズレたと考えられます。

ちなみにオムロン V8はJR東海・JR西でも導入されているため、前記の分割定期が利用できない場合でも利用できる手法と考えられます。

裏に細工する

さて、ここからは話が真っ黒になります。

前述のように自動券売機は裏のマークでICカードの上下左右や定期券・企画券が印刷できるかを認識しています。従ってこれを改竄 (180度回った位置に書き入れる) してしまえば理論上、右に印刷がズレるどころか印刷が180度回った定期券を得ることが可能となるわけです。

一方でこのような印刷が180度回ってしまった定期券、それも痛みまくったICカードに載っている (新券であれば券売機投入時のミスも考えうる) ということはカードに細工して発券したということは自明です。

このため券面表示事項が不鮮明であること以上に不正乗車ICカード定期券の偽造や変造を疑われることになり、最初に触れた片道運賃相当額の6倍に日数をかけた物が請求・残高の没収となるリスクが高まるわけです。特にJR西の場合、他のJRで発券されていただけで没収されそうになった、という相当ユカイな話を聞いたことがあるので、おすすめは致しかねます。

企画券用にとっておく

鉄道車両の3Rのリユースとして、"静態保存する" を挙げるくらいバカげた話ですね! (白目)

最近は西武東京メトロパス東京メトロPASMO1日乗車券のような企画券がPASMOでも発券できるようになっています。

その一方で定期券情報が載っているPASMOカードには企画券を載せることができず、それ専用のカードが必要になってしまいます。従って新しいカードで定期券を購入して現在のカードを企画券用に回すことにより、券面が不鮮明なことによる没収リスクを減らすとともに、定期券では印字しないような部分にまで印字することになるので、"まんべんなく書き換えようとする方法" という条件 *には* 合致できると考えます。

むすびに

いかがでしたか? 他者のブログを引用してばかりで、hadsn本人が発券し、検証した画像がほとんど無い状態となっていますが、いずれはこれらの画像を追加していきたいと思います。乞うご期待。

Twitterをやめようと決意した日のこと

昨年8月末に本垢である@hadsnが凍結され、規制垢であった@hadsnXTwitterをやっていましたが、2018/08/16 02:10 (JST) に規制垢も凍結され、残るはアレなアカウントと陰湿クソオタク垢しか残っておらず、本垢もしくは規制垢が復活するまでhadsn@mstdn.jpに籠りたいと思います。まあいい機会なんじゃないですかね? Twitterというプラットフォームの終焉を最後まで見られないのが残念ですが

Amazonで買ったNote EdgeのExtra Battery Kitが模造品だったお話

Twitterの方を見ている方はすでにご存知だとは思いますが、Amazonマーケットプレイスで4000円弱という値段で買った、GALAXY Note Edge向けのバッテリ充電器と電池パックのセットがどう考えても模造品としか思えなかったということでございます。
模造品としか考えられない理由は以下の点

  • 電池パックの箱は中国向けなのに中身はアメリカ向け
  • 電池パックの運搬用プラケースが入っていない
  • 電池パックのプラスチック部分における造型が違う
  • 電池パックに貼ってあるシールの線が基本的にすべて太い
  • バッテリ充電器の箱には電池パックが入っていることを想起させるシールが貼ってあるのに電池パックが入ってない
  • というかExtra Battery Kitというだけあってもともとセットなのでは?
  • バッテリ充電器のふたの開け閉めが固い

なので返品・返金の問い合わせをしたにもかかわらず、"性能に問題がなければそのまま使ってもいいんじゃない?" とも解釈のできる応答がありなんだかなあ、という気分。→"正品がほしいんじゃあ^〜" と返信したら返金・返品を受け入れてもらえました。
適切な対応をありがとうございます。DOROSI(屋号)さん

Blade V6簡易レビュー

さて本日はスマセレクトのキャンペーンを利用して12/15に申し込んだにもかかわらず、12/27になってやっと届いたZTE Blade V6の簡易レビューをお伝えしたいと思います。

Q: 詳細レビューは?

A: 後日某サイトと自サイトのHTML乱文ゾーン(電話のぺえじ)で公開します

結論

ドコモ網利用の各MVNOやワイモバイル(SoftBank)でも十分に使え、質感もよく値段以上の価値があるスマートフォンであると評価する。(自分の趣味と異なる為自分は買わないが)万人に奨められる機種であり、特にiPhone利用者が海外旅行するときに買い足しにちょうど良いと考える。

良い点

  • 全金属筐体のため高級感がある
  • 軽い
  • 各社の主要周波数に対応しているので僻地でも問題ない
  • SIMスロットを2つ(MicroSIMとnanoSIM)設けているので海外利用に便利
  • ちゃんと動く

悪い点

  • 全金属筐体だから冬はとても冷たい
  • SIMスロットが2つあってもnanoSIM側はmicroSDと排他利用で、GSM専用
  • タッチキーの反応範囲が微妙

実際に使って、どう?

本機の外観や付属品などはメディアコンテンツがリッチに表現できる他のブログ、たとえばorefolderなどを参照していただきたいのですが、まず最初に手にして思ったのは "冷たい" という一言に尽きました。なぜか遅く届いたこともあって他のブログにおけるレビューを読んでいたこともあり、すでに軽くて薄いという事は知っていました。そして金属筐体という事もありこの時期に外で使ったらきっとつらいんだろうなあ、という予測も当然ながらしておりました。しかしながら開封時に触った箱の温度は室温とほぼ同じであり、冷蔵宅配便で届けられたんじゃないか?と疑いたくなるスマートフォン本体の温度は全く以て予想がつかなかったのです。

箱を開け、電話機本体を手に取ったらやることと言えば電源を入れること。当然ながら電源を入れてGoogleアカウントを登録したり、アプリケーションをインストールするなどのセットアップを行うわけですが、アプリケーションのインストールを続けていると標準ホームアプリに気になる点を見つけました。それは "一部アプリケーションはアプリに内蔵されたアイコンが表示されない" ということ。この機種にはiOSの出来損ないのようなホームアプリが搭載されているのですが、プレインストールアプリにおいてはFacebookGoogleマップがアプリケーションに内蔵されているアイコンではない物が表示されています。任意にインストールするアプリではESファイルエクスプローラもこの機種固有のアイコンが表示されています。この点は正直どうなの?と思いました。

はてさて上記の難点にある "タッチキーの反応範囲が微妙" という事ですが、本機はタッチキーが画面の下に3つ並んでおり、左から順に "・○・" という感じになっています。この表記が判りづらい、という見方もありますがカスタマイズできる以上は仕方のないことでしょう。しかしながらタッチキーの反応範囲が微妙、というのはいかんともし難い話でして、実際前記のようなタッチキーが並んでいたらどのように反応範囲が定められると思うでしょうか? "・" であれば点を中心に円形ないしは正方形にちょっとの範囲、"○" であれば丸の内側が反応範囲と思うかと思います。しかしながら実際は、少なくとも "・" の方は点を反応範囲の上端としていたのです。詳細レビューでは図解をするつもりですがこの反応範囲は直感的ではなく、場所的に使いづらいものであると感じました。

スマセレクトを通じてMVNOを契約したというお話

先日モバレコにて、「スマセレクトを通じてMVNO(格安SIM)と契約すればZTE Blade V6が無料になる」というキャンペーンを発見した。諸事情あってスマートフォンとデータ通信回線を増やそうとしていたこともあり、渡りに船とばかりにこのキャンペーンに応募したのである。
※1:レビューを書く必要はある
※2:先着10名限定であり、最後の1台だった

スマセレクトのサイトそのものは、最初にスマートフォンの機種を選択してからMVNOを選択するという構成になっており、2007年になしえなかった "回線と端末の分離" がやっと始まりだしたということを感じさせるサイトのつくりとなっている。しかしながら一部キャンペーンで特別割引となる機種については、キャンペーン適用後の値段のみが大々的に表示されており、携帯電話業界の悪しき習慣を受け継いでしまっているのだなあ、と若干悲しくなってしまった。

商品ページはスマセレクト独自に構築されたものであり、その機種の魅力を適切に要約したものとなっている。しかしながらスペックのタブにおけるCPUの欄における書式が不統一であったり、キャリアの欄がドコモ向けと思われるGALAXY S5であってもSIMフリーとあったりするなど、機種ごとの発売元からの情報をそのまま転記していることが疑われる構成で若干残念に感じた。

実際の申し込み画面に飛んでみると各種個人情報を入力することを要求される。スマセレクトは各種MVNOの比較だけでなく代理店営業もしているためクレジットカードの情報を入力させるフォームも現れうる。しかしながら今回申し込んだ楽天モバイルはスマセレクトからの申し込みが不可能であり、スマセレクトより送られてくるメールから契約者が直接楽天モバイルに申し込む必要があった。このような事態を考えると、機種の選定時にはクレジットカードの所持の有無だけを問いかけ、クレジットカード情報そのものは別にフォームを設けて後から送信させるという構成が妥当なのではないかと考える。ちなみにU-mobileであれば、申し込みフォームにクレジットカード情報や住所などを書き込み、契約の意思を電話で確認しただけで契約が完了するらしい。格安SIMSIMフリースマートフォンについて調べるのが億劫であったり、調べてもあまりよくわからないという人には便利であろうが....

ちなみにこの記事を書いている時点で楽天からSIMが届いているらしく、追っていろいろと試してみたいと思う。
何せMVNEが変わった新生・楽天モバイルはそれなりに速くなっているそうだから